【アルマゲドン映画批評】隕石ほとんど関係なし! 最後の大オチに度肝を抜かれる『アルマゲドン・オブ・ザ・デッド』

「アルマゲドン」、それは魅惑的な言葉だ。とりあえずアルマゲドンと言っておけば何とかなりそうな気がしてくるから不思議だ。そのことを映画配給会社の「アルバトロス」は教えてくれる。世界のマイナー映画にアルマゲドンと邦題を付けて販売しているのが、何よりの証拠だ。

さて、今回紹介するアルマゲドンは、『アルマゲドン・オブ・ザ・デッド』(原題:Solid State)。実はこのシリーズで私(佐藤)がもっとも期待していた作品のひとつ。はたして隕石とゾンビは、どのような形で結びついているのだろうか?

・紹介するのは『アルマゲドン・オブ・ザ・デッド』

2012年にアメリカで制作されたこの作品。アルバトロスのページには、次のように説明が記述されている。

地球を救え、死者の惑星となる前に 未知の彗星が接近し、滅亡の危機を迎えた人類。 決行されたミサイル攻撃は、さらに最悪の事態を呼ぶ。 爆破した彗星から降り注ぐ、人間をゾンビ化する謎の《光》。 死者の大群に支配された地球で、地獄のサバイバルがはじまる」

・観る前の正直な気持ち

今回は期待していた。ただし、純粋な気持ちで期待しているというよりも、どんなワイルドな作品なのか? という意味においてだ。なぜなら、アルバトロスの説明を見る限り、「ゾンビ化する謎の光」がいかにもチープだ。設定が大ざっぱ。

これはもしや、途中で停止ボタンを押してDVDを取り出して、引き出しの奥にそっと締まってしまうパターンか? と思った。実際合い間で何度か停止ボタンを押したことを正直に認めよう。しかしながら、予想を超える内容だった……。

・あらすじ

この物語で、地球を危機的状況に陥れるのはゾンビだ。隕石ではない。隕石は序盤でアッサリとミサイルによって破壊される。そんなことを一切知らない主人公エミリーとその仲間たちは、自らのバンドのツアーでイタリアへと出かけていた。そこでゾンビたちと会いまみえることとなり、命がけの戦いを繰り広げる! そんな内容だ。

・気になったこと

ハッキリ言って、冒頭からひどい、最悪だ。バンド仲間と決裂して、ソロ活動を始めようとしていたエミリーのミュージックビデオから本編がスタートするのだが、そのMVがダサすぎてひっくり返るレベル。最初にあんなものを見せられて、この先地球の危機が訪れるなんて考えられない。開始1分で観るのを止めようとさえ思うくらい。

マネージャー(事務所の社長?)の画策によって、バンドは再始動することになり、メンバー4人(うち1人は新メンバー)が集結して、イタリアにツアーに行くことになるのだが、その間に、隕石襲来で地球滅亡の危機が訪れる。世界の国々が協力して、隕石をミサイルで撃ち落として、あっさりクリア。こんな重大なことをメンバーは一切知らず、イタリアの宿泊先でランチキ騒ぎを楽しんでいる始末

破壊したはずの隕石の影響で、謎の光か何かが降り注ぎ、人がゾンビ化していくことになるのだが、このゾンビがとにかく緩慢で、ほとんど動かない。一応瞬間移動みたいなことをする設定なのだが、基本はワーッ! とは襲ってこない。ビデオの一時停止を繰り返しているような、なんか変な動きでほんのちょっとずつ近づいてくる

・最終決戦へ

気付けば、4人いたはずの仲間は2人になり、最終決戦へとなだれ込む。謎の呪物みたいなものを発見したり、示唆的な過去の映像を発見したり……。

そう言えば、冒頭の数分は1000年前にさかのぼって、意味ありげな伏線が張られたりしているのだが、それらの意味するところがイマイチよくわからない。そのほか謎のお色気要素ムダなギャグ的要素などが散りばめられていて、気が散って仕方がない……。

そんな感じだから、観ている間「どこで観るのを止めようかな……」と、そればかりを考えていた。しかし……!

最後の最後に、衝撃的な大オチが待っていた!

最後、そうするの!?

置き去りにされてた伏線みたいなのがいろいろあったけど……

まあいいか!

ってなってしまった……。もしも興味を抱いた人は、最後まで我慢して本編を見て欲しい。きっと、私が感じたのと同じ感動を得られるはずである。なんか違う意味でよくやった! って言いたい。この作品の “アルマゲドン度” は10点! もうほとんどアルマゲドンしてない。でも、終わりで結構満足できた。

さて次回は、総製作費10億円、なぜかDVD2枚組の「アルマゲドン2013 【完全版】」についてお伝えしたいと思う。

参考リンク:アルバトロス
Report:アルマゲドン評論家 佐藤英典
Photo:Rocketnews24

【アルマゲドン映画批評】水星が地球に落ちてくる! タイムリミット18時間、夫婦の愛が人類を救うか!? 『アルマゲドン2012』

『アルマゲドン』、この映画が公開されたのが1998年のことだ。それからすでに20年の月日が流れているのに、日本では邦題アルマゲドン作品はいまだに出続けている

それら邦題作品がいかにアルマゲドンしているか、実際に観てみないことにはわからない。という訳で、私(佐藤)は作品を取り寄せて1つひとつ紹介することに挑んでみたいと思う。題して「アルマゲドン映画批評」。初回は2012年9月発売の「アルマゲドン2012 マーキュリー・クライシス」(原題:Collision Earth )である。

・紹介するのは「アルマゲドン2012」

この作品は2011年にカナダで制作されたものだ。日本の販売元のアルバトロスのサイトには、次のように紹介されている。

水星と地球の衝突まで18時間 2012年、太陽系で未曽有の異変が発生。水星が軌道を外れ、地球衝突のコースを直進 降り注ぐ隕石雨と磁気嵐。人類を襲う絶体絶命の危機。そして残された希望に全てを賭け、勇者たちの戦いがはじまる!」

・観る前の正直な気持ち

正直なところ、観る前は全然期待していなかった。いやむしろ、どれだけ原作とかけ離れた内容で、どれだけチープな演出を見ることができるだろうか? と逆の意味の期待をしていたのだが、侮りすぎていたと反省している

DVDの収録時間は91分。その間に、どこかで停止ボタンを押して、作品を引き出しの奥に封印することになると思っていたら、無事に最後まで完走することができた。

・あらすじ

さて、この物語で地球を滅亡の危機にさらすのは、「彗星」ではなく「水星」だ。そう、副題にあるマーキュリーである。水星探査に向かった宇宙船ノーチラス号は、太陽の強烈な磁気嵐に襲われて消息を絶った。時同じくして、地球上では磁気嵐による影響が起きており、なんと衛星軌道を外れた水星が地球に接近しつつあることが判明!

ノーチラス号には主人公で物理学者のプレストンの妻、ヴィクトリアが搭乗しており、夫婦は力を合わせて地球の危機に立ち向かう!! そんな内容だ。

・気になったこと

物語全編を通して、ひとつ気になったことがある。いくぶん説明が不足していて、危機の本質や、水星衝突回避の策の具体性を把握するのに、ちょっと時間がかかる。もしかしたら、予算の都合でそう長い尺を取れなかったためかもしれない。

また、登場人物たちが命の危機に直面しているシーンで、抑揚が乏しいためか、ハラハラドキドキしにくい。気が付けば仲間が突然死んでいたりするので、違う意味で驚いてしまう。

・ここに感動した!

残念なことに1カ所CGの使いまわしを発見してしまった。そのことから、やはり低予算で制作されたことが想像できる。そう思うと、かなり厳しい制約のなかで、出演者を含む制作陣はできる限界に挑戦したのではないか? と感じられる。その勇気に感動する。良くやった! ちょいちょい挟んでくるジョークにさえ感動したぞ。

それらを踏まえて、この作品の “アルマゲドン度” は60点! 水星が軌道を外れる設定や、危機を回避する策をもっと作り込んだ形で観てみたいと思った。という訳で、次回のアルマゲドン映画批評は、アルマゲドンとゾンビホラーが合体した怪作「アルマゲドン・オブ・ザ・デッド」である。

参考リンク:アルバトロス
Report:アルマゲドン評論家 佐藤英典
Photo:Rocketnews24